活動報告 NO.5 2001/11/17・18
第25回日本死の臨床研究会年次大会演題内容(2001.6.30登録内容)
■はじめに
一般市民が営む企業として、ホスピスの入院患者向けにライフレビューを基本としたビデオ撮影サービスの提供をQOLの一助にとアプローチを試み半年近くなる。
今大会メインテーマ「共に生きる」より導かれる問いのひとつである「地域社会と医療現場との連携による患者・家族への総合的(身体・精神・社会・スピリチュアル)支援体制の確立」についてボランティアでもない一般市民による活動を通じて学び得た事由を報告する。
■内容
提供するサービス内容は「自分史ビデオ」「ビデオレター」制作をはじめ故郷や家族・行事の撮影代行など映像記録として可能なものに幅広く対応し、全てのサービスは制作過程において傾聴的な関わりをもつことでサービス享受者の自己肯定感を高めるケアとし、関東周辺にあるホスピス20施設の担当医長・婦長・看護婦・ソーシャルワーカーや業務課・広報課へ訪問説明、電話説明、資料郵送を行い、患者やその家族と本サービスの情報をつなぐ架け橋となってもらう旨の支援を求めた。
■結果
今日までの状況は、
a,積極的受け入れ 2件 b,担当者レベルでの受け入れ2件 c,肯定するが受け入れ不可 1件
d,受け入れ不可 5件 e,保留回答待ち 10件 となっており支援の受け入れは非常に困難となっている。
その主な理由としては
a,営利企業参入への嫌悪 b,実例不足 c,受け入れ体制の不備 d,説明不足 e,似非宗教活動との誤解
などが挙げられる。また当初リビングウィル的な要素に重きをおいた説明をしたことも影響していると思われる。
しかし否定的回答は、比較的事務職者とのやりとりに多く、より患者に近い立場にある医療者からは一定の
理解を得られた。
■これから
本サービスの意義に賛同を示すものの協力を得られにくいその背景には、常に医療者を非難するばかりのわれわれ一般市民と患者を抱え込んでしまう医療者との気持ちの隔たりだと感じた。地域社会と医療現場との協力により主体である患者やその家族のケアと支援を進めるためにも、お互いの意識改革に取り組むことの必要性を強く認識した。
現在NPO法人(特定非営利活動法人)化を行い収益を高齢者・障害者の雇用増進に役立てるなど、より社会的
な活動を担う主旨を明確とすることや、精神的なケアをはじめスピリチュアルケア・グリーフケアとしての本サービスの質を高め医療者が門扉を開けるよう努力している。そして医療者やその現場をとりまくさまざまな状況を理解・共感し「いずれ老い病める者として共に生きる」環境を築いていきたいと思う。